オフィス設計デザインの基本!企業価値を高める空間戦略とは

 
     
  • 公開日:2026/09/09
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  • 最終更新日:2026/09/09
オフィス設計デザインの基本!企業価値を高める空間戦略とは

オフィスは、もはや単なる作業場所ではありません。社員のやる気を引き出し、企業文化を体現する場として、経営層の関心が高まっています。特に移転や本社リニューアルを検討する段階では、空間づくりが事業の成長そのものに関わる重要なテーマになります。

この記事では、業務の効率化やブランド強化につながるオフィスづくりの考え方をご紹介します。

社屋設計 オフィスデザイン
この記事でわかること

オフィス設計が企業価値や組織ブランディングに与える影響

働く場所から価値を生む場所へと役割が変わってきた背景を解説します。

生産性向上とブランド強化を両立させる空間設計の考え方

生産性・コミュニケーション・採用力・ウェルビーイングの4つの効果を紹介します。

オフィス設計を進める際に押さえるべき手順とチェックポイント

課題整理から実施設計・完成までの3ステップの流れを整理します。

設計会社・施工会社選びで失敗しないための判断基準

一貫した設計力や事業視点で対話できるかを見極めるポイントを解説します。

オフィス設計のデザインが経営に果たす役割

オフィスづくりは内装の刷新にとどまらず、経営戦略の一部として捉えられるようになっています。働く人の意識や来訪者に与える印象にも影響するためです。

働く場所から価値を生む場所へ

かつてのオフィスは、机と椅子が並ぶだけの作業場所でした。しかし近年は、社員同士の何気ない会話からアイデアが生まれたり、集中して取り組める環境を整えたりと、目的に応じた空間設計が求められています。

オフィスは企業の姿勢を映す鏡であり、訪れた人に企業イメージを印象づける場所でもあります。採用候補者が会社を判断する材料にもなるため、経営層の視点も大切です。

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経営戦略としてのオフィスづくり

業績を伸ばしている企業ほど、本社や拠点の空間づくりに力を入れる傾向があります。理念や事業の方向性を働く環境にどう反映させるかを、設計段階から考えているケースも少なくありません。

働きやすい環境づくりは、社員の満足度や働きやすさにもつながると考えられています。近年では、空間づくりを人材への投資の一つとして捉える企業も増えています。

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以下の表は、従来型のオフィスと現代型のオフィスの違いを整理したものです。

従来型と現代型オフィスの比較
観点 従来型 現代型
目的 作業の場 価値創出の場
レイアウト 固定席中心 用途別に多様化
評価軸 収容人数 生産性とブランド

企業価値を引き上げる4つのメリット

戦略的に練られたオフィス設計は、社員の働き方から外部からの評価まで、幅広い領域に良い影響をもたらします。代表的な効果を順に見ていきましょう。

メリット1:生産性と意欲の向上

集中したい時間と、対話したい時間。その切り替えがスムーズにできる空間があるだけで、社員の働き方は大きく変わります。集中ブースや少人数での打ち合わせコーナーを設けることで、業務の質が底上げされていきます。

ある調査では、高い成果を出している社員ほど、自分のオフィスに満足していると回答する割合が高いという結果が出ています。働く場所の満足度は、成果と無関係ではありません。

メリット2:コミュニケーションの活性化

部門の壁を越えた偶然の会話は、新しい企画や改善のきっかけになります。動線を工夫してすれ違いの機会を増やすだけでも、社内の雰囲気は変わります。

カフェスペースやオープンな打ち合わせエリアを取り入れる企業も増えました。チーム間の距離が近くなることで、意思決定のスピードも上がっていきます。

メリット3:ブランディング強化と採用力アップ

来訪者が最初に通るエントランス、商談で使う会議室、社員が日々過ごす執務エリア。それぞれに企業らしさを反映させると、訪れた人の記憶に残るオフィスになります。

採用活動においても、オフィスの雰囲気は大きな判断材料になります。求職者が会社の文化を肌で感じ取れる場所だからこそ、丁寧につくり込む価値があります。

メリット4:働く人のウェルビーイング

長時間を過ごす場所だからこそ、心身の負担を減らす配慮が欠かせません。光の入り方、緑の取り入れ方、休憩スペースの位置など、細かな積み重ねが日々の快適さにつながります。

社員満足度を高める要素として注目されているポイント
  • 自然光が届く執務エリア
  • 用途に応じて選べる作業スペース
  • 植栽やアートを取り入れた休憩エリア
  • 音や視線に配慮した集中ブース

これまで解説した「ブランド強化」や「企業価値向上」を実際のオフィス建築でどのように具現化しているか、KTXアーキラボが手掛けた具体的事例をご紹介します。

事例紹介:建物自体が企業アイコンとなる(The PolyCuboid -TIA bldg.-)

株式会社ティアイエー 本社オフィスビルの事例を用いて、これまでの内容を実際の空間にどう落とし込んでいるかについて詳しく見ていきましょう。

姫路市内の建築設計事例TIA社屋ビルデザイン

姫路市内の建築設計事例TIA社屋ビルデザイン

■ プロジェクトの要点
  • コンセプト:「建物自体が企業を象徴するアイコンとなる」。保険代理店のロゴマークからインスパイアされた、キューブを積み上げたオブジェのような外観デザイン。
  • 敷地制約とレイアウト:地中に直径700ミリの送水管が横切るという厳しい敷地制約に対し、そのラインに沿って基礎および1階形状を計画。制限を逆手に取った機能的なレイアウトを実現。
  • 構造的アプローチ:鉄骨構造でありながら柱や梁といった構造体の存在感を消し去り、一般的なビルらしさを排した軽快な造形美を追求。
  • ブランド形成:一目で企業を印象づけるデザインが「A’Design Award 2020 Gold」をはじめ多数の国際的デザイン賞を受賞し、企業の存在感と信頼性の向上に大きく貢献。
「用・強・美」で見る価値
用(機能性) 地中送水管のラインに合わせて建物の配置と内部動線を整理し、約188坪の敷地制限をクリアしながら高い業務効率と快適なオフィス機能を確保。
強(構造・耐久性) 堅牢な鉄骨造でありながら柱や梁を表に出さない精密な設計技術により、安全性と耐久性を保持しつつ浮遊感のある斬新な立体構成を成立。
美(美観) 「企業ロゴの立体化」という明確なコンセプトのもと、建築を巨大なアートオブジェへと昇華させ、ランドマークとなる圧倒的な美観とブランディング効果を創出。

失敗しないオフィス設計の進め方

良いオフィスは、思いつきでは生まれません。順序立てて検討を重ねることで、投資に見合った成果につながっていきます。

ステップ1:課題と目的の整理

まず取り組むべきは、現状のオフィスで何に困っているかを言語化することです。コミュニケーション不足なのか、集中できる場所が足りないのか、ブランド表現が弱いのか。課題が曖昧なまま進めると、出来上がった空間も中途半端になります。

経営層と現場の声を両方すくい上げる場を設けると、優先順位がはっきりしてきます。社員アンケートやヒアリングを通じて、実際の働き方を把握する作業も欠かせません。

ステップ2:コンセプト立案と基本設計

課題が見えたら、次はオフィス全体を貫くコンセプトを決めます。理念や事業の方向性をどう空間に表すか、設計者と議論を重ねる段階です。

コーポレートカラーや素材の選び方、ロゴの見せ方など、ブランド体験につながる要素も合わせて検討します。ここで方針がぶれなければ、後の工程もスムーズに進みます。

ステップ3:実施設計から完成まで

具体的な図面に落とし込み、施工会社の選定や工事監理へと進みます。設計事務所が担うのは監理、工事会社が担うのは管理。役割の違いを理解しておくと、進行中のやりとりが整理しやすくなります。

内装工事の工期はおおよそ3〜6か月、スケルトン状態からの工事ならさらに2〜3か月が加わります。スケジュールに余裕を持たせた計画が、品質を守る鍵になります。

以下の表に、一般的な進行の流れをまとめました。

オフィス設計の進行フロー
段階 主な内容 目安期間
ヒアリング 課題整理と要望確認 1か月程度
基本設計 コンセプトと配置計画 1〜2か月
実施設計 詳細図面と仕様確定 1〜2か月
施工 内装工事と監理 3〜6か月

パートナー選びで押さえるべき視点

設計会社の選定は、オフィスづくりの成否を左右する大切な工程です。価格や知名度だけで決めてしまうと、思い描いた空間にならないことも珍しくありません。

一貫した設計力があるか

建物の設計から内装、家具、サインに至るまで、一つの思想で貫かれた空間は、訪れた人にも社員にも強い印象を残します。担当領域が分かれてしまうと、細部の整合性が崩れがちです。

建築とインテリアを横断して提案できるパートナーであれば、ブランドの世界観をぶれずに表現できます。実績の幅を確認するときは、規模だけでなく業種の多様さにも目を向けてみてください。

事業視点で対話できるか

オフィスは投資です。意匠の美しさだけでなく、事業にどう貢献するかを一緒に考えてくれる相手かどうかが問われます。提案の段階で、収益や採用、社員定着まで踏み込んだ議論ができるかを見極めましょう。

初回の打ち合わせで、課題への質問が深く具体的であれば、信頼できる兆しです。逆に流行のキーワードばかり並べる相手には注意が必要です。

費用と期間の目安を理解する

建築から手がける場合、坪単価は110万〜315万円ほどと幅があります。木造の小規模なものなら1年程度で完成しますが、大規模な鉄骨造になると5年かかることもあります。

内装中心のオフィスリニューアルであれば、3〜6か月の工期が一般的です。規模や構造、地域、法的な条件で大きく変わるため、早い段階で目安を共有しておくと安心です。

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オフィスリニューアルを成功させるために必要な費用感や具体的な工程については、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶ オフィス内装の費用相場はいくら?坪単価・デザイン別の目安や工程を解説
見積もり比較のときに確認したい項目
  • 設計範囲と監理体制
  • 工事会社との役割分担
  • 追加費用が発生する条件
  • 完成後のフォロー体制

よくある質問

Qオフィス設計の費用はどのくらい見ておくべきですか?

A内装中心であれば坪単価で数十万円から、建築から手がける場合は110万〜315万円程度と幅があります。規模や立地、こだわりたい部分によって大きく変動するため、早い段階で設計者と方針をすり合わせることをおすすめします。

Q設計から完成までどのくらいかかりますか?

A内装のリニューアルなら3〜6か月、スケルトン状態からなら2〜3か月が加わります。建築から進める場合は、規模や構造によって1年から5年程度まで幅があります。スケジュールには余裕を持たせて検討してください。

Q社員の意見はどこまで取り入れるべきですか?

A全員の希望をそのまま反映するのは難しいですが、現場の声を無視すると使い勝手の悪い空間になりがちです。アンケートや代表者ヒアリングを通じて、優先順位を整理したうえで設計に反映させる流れがよいでしょう。

まとめ

この記事では、オフィス設計デザインが企業価値にどう関わるか、そして実際の進め方やパートナー選びの視点をお伝えしました。空間づくりは、社員の働き方からブランドの伝わり方まで、幅広い成果に結びつく取り組みです。

移転やリニューアルを検討されている方は、まず自社の課題を言語化することから始めてみてください。そのうえで、事業の視点を共有できる設計者と出会えれば、投資に見合う成果が見えてくるはずです。

「商業建築の設計は、ただ美しい箱を作りだすためのプロセスであってはならない。」というのが、私達KTXの考え方です。

より大きなベネフィットを生む建築を創り出し、投資に見合う利益を還元するビジネスツールを我々は設計しています。建築設計からインテリアの空間デザイン、グラフィックに至るまで、あらゆるデザインを一貫してコントロールすることであなたのビジネスに強力な付加価値を生み出します。もし、建築設計についてお悩みなのであれば、是非一度我々にご相談ください。

この記事のまとめ

オフィス空間は企業理念や経営戦略を体現する重要な経営資産である

生産性向上とブランドイメージを両立する設計が企業成長につながる

オフィスづくりは自社の課題や働き方の目的を整理することから始める

設計から施工まで一貫して提案できるパートナー選びが成功の鍵となる

空間の目的やブランドイメージに合わせてご希望に沿った建築設計をご提案しております。デザイン相談はこちら

2026.09.09



【この記事を書いた人 松本哲哉】
KTXアーキラボ代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界9位(日本国内1位)

ウィキペディア 松本哲哉(建築家)

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代表松本 Newsweek 誌インタビュー / KTXアーキラボ プロフィール / 建築設計・内装デザイン 事例集 / YouTube 動画チャンネル

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