- 公開日:2026/05/14
- 最終更新日:2026/05/14
武蔵野徳洲会病院からのご依頼は明快だった。「医師のリクルートと離職防止のために、医局のデザインを本気で変えたい」。医師採用競争が激化する今、給与・待遇条件だけでは選ばれない。この病院で働くことへの誇りを空間で表現する——それがこのプロジェクトの命題だった。

なぜ、医局のデザインを変えるのか
医師の採用と定着は、病院経営における最重要課題のひとつです。給与や待遇条件が横並びになりつつある今、優秀な医師に「この病院を選んでもらう」ためには、条件では語れない何かが必要です。
武蔵野徳洲会病院の経営陣は、その問いに真正面から向き合いました。「医局のデザインを本気で変えたい」という依頼の背景には、日々の診療を支える医師たちへの敬意と、ここで働くことに誇りを感じてほしいという強い意志がありました。

医局は、病院の本気度を語る場所である
医局とは単なる休憩室ではありません。医師が診療の合間に思考を整え、同僚と情報を共有し、次の患者に向けて気力を回復する場所です。その空間のレベルは、病院が医師をどう位置づけているかを雄弁に語ります。
私たちはこのプロジェクトで、医局を「リクルートツール」として再定義しました。見学に訪れた医師が一歩足を踏み入れた瞬間に、この病院の水準と本気度を全身で感じ取れる空間をつくることが、私たちに課された命題でした。

設計のポイント
01 グリーンウォール×ネオンアートライト
空間の核となるのは、カンファレンスゾーン奥壁面に広がる大型グリーンウォールと、天井から吊るされたループ型ネオンアートライトです。医療施設の医局としては非常識とも言えるこの演出が、「ここは特別な場所だ」という印象を訪れた医師の記憶に刻みます。

02 ホワイトボード兼用ガラスパーティション
カンファレンスゾーンはフレームレスのガラスパーティションで仕切られており、ガラス面はマーカーで書き込んでそのままホワイトボードとして使用できます。朝のカンファレンスから即興の症例共有まで、医師の思考の速度に空間が追いつく仕掛けです。

03 ホテルラウンジに近い素材感
ナチュラル木調・グリーン系カーペット・ウッドブラインドで素材を統一し、病院内にありながらホテルのラウンジに近い質感を実現しました。白衣を脱いだ医師が「自分の場所」として感じられる居心地を追求しています。


プロジェクト概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 武蔵野徳洲会病院 医局 |
| 所在地 | 東京都武蔵野市 |
| 用途 | カンファレンス・休憩・図書・ラウンジ |
| 工事種別 | 内装改装 |
| 設計・監理 | KTXアーキラボ一級建築士事務所 |
【この記事を書いた人 松本哲哉】
KTXアーキラボ代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界9位(日本国内1位)
病院・クリニックなど医療施設の設計を中心に、国内外で多数のプロジェクトを手がける。
【お問い合わせ先】KTXアーキラボ一級建築士事務所
東京都港区南麻布3-4-5 兵庫県姫路市船丘町298-2
kentixx@ktx.space TEL: 03-4400-4529 https://ktx.space/
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