オフィス内装の費用相場はいくら?坪単価・デザイン別の目安や工程を解説

 
     
  • 公開日:2026/01/20
  •  
  • 最終更新日:2026/01/22

オフィスの移転や改装を検討する際、多くの経営者や人事総務担当者が最初に直面するのが「一体いくらかかるのか」という費用の問題です。オフィス内装工事の費用は、坪単価で50万円から80万円以上まで幅広く、何を基準に予算を組めばよいのか分かりにくいのが実情です。

この記事では、オフィス内装工事にかかる費用の相場を坪単価やデザイン志向別に整理し、工事の工程ごとの費用構造や予算の適正化方法まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。

オフィス内装デザイン

オフィス内装工事にかかる費用の基本と坪単価相場

オフィス内装の費用を把握するには、まず坪単価という考え方を理解することが重要です。坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)あたりにかかる工事費用のことで、オフィスの広さに坪単価を掛けることで、おおよその総額を算出できます。ただし、この坪単価は一律ではなく、オフィスの用途やグレード、工事内容によって大きく変動します。

オフィス内装工事の坪単価の考え方

オフィス内装工事の費用は、用途や求める仕上げ水準によって幅があり、坪単価を一律に決めることはできませんが、目安としていくつかの水準に分けて整理されることがあります。比較的シンプルな一般的事務所の場合、坪単価はおおよそ50万円〜80万円程度とされるケースが多く、この範囲では必要最小限の間仕切り壁や標準的な床仕上げ、基本的な照明計画などが中心となります。

一定のデザイン性や機能性を求めるオフィスでは、坪単価65万円〜80万円程度が一つの目安とされることがあります。この水準では、ガラスパーティションなど意匠性のある間仕切り、グレードの高い床材やカーペット、デザイン性を考慮した照明計画、十分な電源・LAN配線の整備などが可能になります。会議室やリフレッシュスペースなど、用途に応じた空間構成を検討できる点も特徴です。

さらに、企業イメージや働く環境づくりを重視するオフィスでは、坪単価が70万円〜90万円以上となるケースも見られます。この場合、造作家具の設計・製作、高品質な内装材の採用、空間全体を統合した照明計画、先進的なオフィス設備の導入などが検討対象となります。来客対応が多い企業や、採用・ブランディングの観点からオフィス環境を重視する企業では、この水準で計画されることもあります。

内装工事の費用を左右する主な要素とは

オフィス内装の費用を決めるのは坪単価だけではありません。既存の建物状態も大きな影響を与えます。スケルトンの状態から工事を始める場合と、既存の内装を活用できる場合では、費用に大きな差が生じます。スケルトンからの工事では、床・壁・天井のすべてを一から作る必要があるため、坪単価が高くなる傾向があります。

また、オフィスのレイアウト方式も費用に直結します。個室や会議室を多く設ける場合、間仕切り壁の施工面積が増えるため、工事費用は上昇します。一方、フリーアドレスやオープンスペース中心のレイアウトでは、間仕切りが少なくなる分、坪単価を抑えられる可能性があります。ただし、フリーアドレスでも、電源やLANの配線を各所に充実させる必要があるため、設備工事費用は別途考慮しなければなりません。

設備のグレードも見逃せない要素です。空調設備、照明設備、電気・通信設備のいずれも、標準品を使用するか高性能機器を導入するかで、費用は2倍以上変わることもあります。特に、省エネ性能の高い設備や、働きやすさを追求した照明システムなどは初期投資が高くなりますが、ランニングコストの削減や従業員満足度の向上につながる場合があります。

さらに、工事を行う地域や建物の条件も費用に影響します。都市部では人件費や資材の搬入費用が高くなる傾向があり、また高層階での工事は資材の搬入に特殊な対応が必要になるため、追加コストが発生することがあります。エレベーターの使用制限がある建物や、作業時間に制約がある物件では、工期が延びることで人件費が増加する可能性もあります。

クリニックデザイン

デザイン志向別に見るオフィス内装の費用目安

オフィス内装の費用は、企業がどのような価値観でオフィスを位置づけるかによっても変わってきます。単なる作業場として最低限の機能を求めるのか、それとも企業文化を体現し採用力を高める戦略的空間として投資するのか。ここでは、デザイン志向別に具体的な費用目安と、それぞれの特徴を見ていきます。

シンプルな機能重視型オフィスの費用設計

機能重視型のオフィスは、業務効率を優先し、装飾的な要素を抑えたシンプルな構成を基本とするスタイルです。このような考え方では、坪単価10万円〜20万円程度を目安として計画されるケースが多く見られます。例えば、50坪規模のオフィスであれば、総1,000万円〜2,000万円程度が一つの参考水準となります。

この価格帯で想定される内容としては、白を基調としたシンプルな壁面仕上げ、耐久性を重視した標準的なタイルカーペット、必要最小限の間仕切りによる執務スペースや会議室の区画、実用性を重視した照明計画などが挙げられます。家具については別途検討となることが多く、新品の標準的なオフィスデスクやチェアを導入する場合、1名あたり5万円〜15万円程度を目安とするケースがあります。

機能重視型オフィスのメリットは、初期投資を抑えられることと、シンプルゆえにレイアウト変更がしやすいことです。スタートアップ企業や、コスト管理を重視する企業に適しています。ただし、デザイン性が低いため、来客対応や採用活動において企業イメージを訴求しにくいという側面もあります。

ブランディング重視型オフィスのコスト構造

ブランディング重視型のオフィスは、企業の理念や文化を空間として表現し、従業員のエンゲージメント向上や採用力の強化を目的として計画されます。このようなケースでは、坪単価50万円〜80万円以上を想定して検討されることが多く、50坪規模であれば総額2,500万円〜4,000万円以上となる場合もあります。

この水準では、エントランスに企業ロゴやブランドカラーを反映したデザイン、執務エリアに質感や素材感を重視した仕上げ材の採用、用途に応じた多様なワークスペース(集中作業エリア、ミーティングスペース、リフレッシュスペースなど)の構成、オリジナルの造作家具やデザイン性を考慮した照明計画などが検討対象となります。

費用配分の考え方としては、エントランスや共用部などの印象づくりを担う空間に重点的に投資しつつ、執務エリアの快適性や機能性にも十分なコストを配分するケースが多く見られます。具体的な配分比率はプロジェクトごとに異なりますが、採用やブランド訴求を重視する企業、クリエイティブ業種、従業員満足度を経営課題として捉えている企業では、このような投資判断が戦略的に行われることがあります。

事例紹介:White & Steel(オフィス内装改装)

ブランディングを重視したオフィス内装では、単に装飾性を高めるだけでなく、空間そのものに企業の思想や姿勢を反映させる設計が求められます。ここでは、デザイン志向型オフィスの費用構造を理解するための実例をご紹介します。

オフィスデザイン

兵庫県神戸市にあるWhite & Steelは、予備校のオフィスおよび受付空間の内装改装プロジェクトです。既存建物の制約を踏まえながら、「素材そのものの存在感」を空間体験として成立させることが設計の主題となりました。

オフィス内装デザイン

■ プロジェクトの要点

  • デザインコンセプト:白一色の無機質な空間に、黒皮鉄という素材の個性を際立たせる構成
  • 素材計画:圧延時に生まれる鉄の酸化皮膜を仕上げとして活用
  • 空間構成:受付・会議室・執務空間を連続的に捉え、視覚的な緊張感を維持
  • 改装条件:限られた工期と既存躯体を前提とした内装改装
  • 設計思想:装飾を足すのではなく、素材の選択と配置で空間価値を生み出す
費用相場の視点で見るポイント
用(機能性) 受付機能と執務・会議機能を明確に分けつつ、動線をシンプルに整理
強(合理性・耐久性) 黒皮鉄という耐久性の高い素材を用い、長期使用を前提とした設計
美(意匠性) 素材の質感そのものを主役にすることで、高いデザイン性を実現

White & Steel のような事例は、ブランディング重視型オフィスにおいて、費用が上昇する理由が「見た目の豪華さ」ではなく、設計思想や素材選定の深度にあることを示しています。空間価値をどこで生み出すかによって、内装費用の考え方は大きく変わるのです。

オフィス 内装設計

オフィス内装工事の工程と各段階でかかる費用

オフィス内装工事は、複数の工程を経て完成します。それぞれの段階で発生する費用を理解しておくことで、予算管理がしやすくなり、また想定外の出費を防ぐこともできます。ここでは、工事の流れに沿って、各段階の費用構造を詳しく見ていきます。

設計・企画段階で押さえるべき費用項目

オフィス内装工事の初期段階は、設計・企画フェーズです。この段階では、設計業務に関する費用が発生します。設計料の算定方法や水準はプロジェクトによって異なりますが、目安として工事費総額に対して数%〜10%前後、あるいは定額で設定されるケースが多く見られます。例えば、工事費が1,000万円規模の場合、数十万円から100万円前後を一つの参考値として検討されることがあります。

設計料に含まれる業務内容は幅広く、現地調査、ヒアリングを通じた要件整理、基本的なレイアウトやデザインの検討、イメージパースの作成、施工に向けた図面の作成、施工会社選定に関するサポートなどが含まれるのが一般的です。設計段階で十分な検討を行うことで、工事中の変更や手戻りを減らし、結果的に全体コストの最適化につながることも少なくありません。

また、企画段階では既存建物の状況を把握するための調査費用が別途発生する場合があります。特に築年数の経過した建物では、アスベストの有無、電気容量や設備状況、構造上の制約などを専門家が確認する必要があり、内容によっては数十万円程度の調査費用を見込むケースもあります。

施工段階から引き渡しまでの費用の流れ

施工段階に入ると、実際の工事費用が発生します。工事費の支払い方法やタイミングは施工会社や契約条件によって異なりますが、着手時・工事途中・完了時の複数回に分けて支払われるケースが多く見られます。例えば、着手時に工事費の一部を支払い、工事の進捗に応じて中間金を支払い、完了・引き渡し時に残額を精算する形が採用されることがあります。具体的な配分比率は工事規模や工期、契約内容によって調整されます。

施工段階の費用は、大きく分けて解体工事費、内装仕上げ工事費、設備工事費、諸経費などで構成されます。解体工事費は既存内装を撤去するための費用で、スケルトン状態にする場合、坪あたり1万円〜3万円程度が一つの目安とされることがあります。内装仕上げ工事費は、床・壁・天井の仕上げ材料費および施工費が中心となり、オフィス内装工事の坪単価を左右する主要な要素です。

設備工事費には、電気工事、空調工事、給排水工事、通信工事などが含まれます。電気工事では照明器具の設置やコンセントの増設が主な内容となり、工事範囲や既存設備の状況によって差はありますが、目安として坪あたり数万円程度で見積もられるケースが多く見られます。空調工事については、既存設備を活用できる場合は費用を抑えられますが、エアコンの新設や増設が必要な場合には、1台あたり数十万円程度の追加費用が発生することもあります。

諸経費には、現場管理費、安全対策費、交通費、廃材処分費などが含まれます。これらは工事費全体に対して一定割合で計上されることが多く、内容や計上方法は施工会社によって異なります。見積書の中でどの項目に含まれているかが分かりにくい場合もあるため、取得時には内訳や考え方を確認しておくことが重要です。

また、引き渡し後には、家具・什器の搬入費用、電話やインターネット回線の開通費用、既存オフィスからの引越し費用などが別途発生します。これらは工事見積とは別枠になることが多いため、初期段階から含めて予算を整理しておくことで、想定外の出費を防ぎやすくなります。

オフィス内装費用を適正化するための実践的アプローチ

オフィス内装の費用は高額になりがちですが、適切なアプローチを取ることで、品質を保ちながら費用を適正化することができます。費用の透明性を確保し、優先順位を明確にすることが、満足度の高いオフィスづくりと予算管理の両立につながります。

見積もり取得時に確認すべきチェックポイント

オフィス内装の見積もりを取得する際は、複数の業者から相見積もりを取ることが基本です。一般的には3社から5社程度から見積もりを取得し、内容を比較検討します。ただし単純に総額だけを比較するのではなく、見積もりの内訳を詳細に確認することが重要です。

見積もりで確認すべき主なポイントとしては、まず工事範囲が明確に記載されているかどうかです。どこまでが工事に含まれ、何が含まれないのかが曖昧だと、後からトラブルになる可能性があります。また、使用する材料のグレードやメーカー名が具体的に記載されているかも重要です。「標準品」「一般品」といった表現だけでは、実際にどのレベルの材料が使われるのか分かりません。

見積もり取得時のチェックポイント
  • 工事範囲と除外項目の明記
  • 使用材料のグレード、メーカー名の記載
  • 諸経費の内訳と計算根拠
  • 追加工事の可能性と条件の説明
  • 工期と支払い条件の明記
  • アフターサービスや保証内容の確認

また、諸経費の内訳と計算根拠も確認すべきポイントです。追加工事が発生する可能性についても事前に確認しておくことが重要で、特に既存建物の状態によっては、工事開始後に予期しない問題が見つかることがあり、その場合の追加費用の考え方を事前に合意しておくことでトラブルを防げます。

見積もり内容について不明な点があれば、遠慮せずに質問することが大切です。専門用語が多く分かりにくい場合は、素人でも理解できるように説明してもらいましょう。丁寧に説明してくれる業者は、施工段階でのコミュニケーションも良好である可能性が高いといえます。

予算オーバーを防ぐための優先順位の付け方

限られた予算の中で満足度の高いオフィスを実現するには、何にお金をかけ、何を抑えるかという優先順位を明確にすることが重要です。すべての要望を実現しようとすると予算オーバーになる可能性が高いため、戦略的な判断が必要です。

優先順位をつける際の基本的な考え方として、まず「必須項目」「重要項目」「希望項目」の3段階に分類する方法があります。必須項目は、業務遂行に不可欠な要素で、これは予算が厳しくても削減すべきではありません。例えば、必要な数の執務スペース、法令で求められる避難経路や防火設備、業務に必要な電源容量などが該当します。

重要項目は、業務効率や従業員満足度に大きく影響する要素です。例えば、適切な照明環境、快適な空調設備、プライバシーに配慮した会議室などが含まれます。これらは可能な限り実現したい項目ですが、予算の制約がある場合は、仕様を調整することで費用を抑える余地があります。

予算を抑えつつ品質を保つ工夫
  • 既存の内装や設備を活用(特に空調や照明)
  • 既製品を使用しコストダウン
  • 高級素材はエントランスや会議室に限定
  • 執務エリアはシンプルにし、レイアウト変更に対応
  • 工期に余裕を持たせ、割増料金を回避
  • 繁忙期を避けて工事を行い、費用交渉を有利に

希望項目は、あれば望ましいが優先度は低い要素です。デザイン性の高い装飾、高級な仕上げ材、最新のオフィス設備などが該当します。予算に余裕がある場合に実現を検討する項目として位置づけます。

また、初期投資とランニングコストのバランスも考慮することが重要です。例えば、省エネ性能の高い照明や空調設備は初期費用が高くなりますが、電気代の削減によって数年で投資回収できる場合があります。反対に、見た目のデザイン性だけを追求した設備は、初期費用が高い割にランニングメリットがないこともあります。

さらに、段階的な投資という考え方も有効です。すべてを一度に完璧な状態にするのではなく、まずは業務に必要な最低限の水準で開始し、経営状況や従業員の声を聞きながら、段階的に改善していくアプローチもあります。特に、成長途中のベンチャー企業や、将来的な組織変更が予想される場合は、この方法が適している場合があります。

オフィスデザイン

まとめ

この記事では、オフィス内装にかかる費用の相場を坪単価別・デザイン志向別に整理し、工事の各工程で発生する費用構造や、予算を適正化するための具体的なアプローチまで解説しました。

「商業建築の設計は、ただ美しい箱を作りだすためのプロセスであってはならない。」というのが、私達KTXの考え方です。

より大きなベネフィットを生む建築を創り出し、投資に見合う利益を還元するビジネスツールを我々は設計しています。建築設計からインテリアの空間デザイン、グラフィックに至るまで、あらゆるデザインを一貫してコントロールすることであなたのビジネスに強力な付加価値を生み出します。もし、建築設計についてお悩みなのであれば、是非一度我々にご相談ください。

KTXアーキラボでは、ご希望に沿った建築設計をご提案しております。お気軽にお問い合わせください。

弊社の設計事例についてはコチラの作品集をご覧ください

2026.1.20


【この記事を書いた人 松本哲哉】

KTXアーキラボ代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師

2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)

ウィキペディア 松本哲哉(建築家)


【お問い合わせ先】

KTXアーキラボ一級建築士事務所

東京都港区南麻布3-4-5 エスセナーリオ南麻布002

兵庫県姫路市船丘町298-2 日新ビル2F

事業内容

飲食店・クリニック・物販店・美容院などの店舗デザイン・設計

建築・内装工事施工

メール:kentixx@ktx.space

電話番号:03-4400-4529(代表)

ウェブサイト:https://ktx.space/


【関連記事リンク】

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。