- 公開日:2025/10/24
- 最終更新日:2025/11/10
大型店舗から個人商店の時代再来?〜個人商店の逆襲〜
1. 大型店舗の時代と個人商店の衰退
かつて日本各地で、個人商店が街の中心として活気を放っていました。しかし規制緩和によって大型店舗が次々と進出し、状況は一変。
「大型店に行けば欲しいものは揃う」という安心感から、人々はチェーン店やショッピングモールへと流れ、個人商店は次第に衰退していきました。
政府は個人商店の活性化を目的に補助金を投入し、全国に画一的なアーケード商店街を整備しました。しかし補助金は全額負担ではなく、多くの店が借金を背負い、さらに改修費や維持費も重荷となりました。結果として客足は戻らず、「シャッター街」と呼ばれる風景が日本各地に生まれ、個人商店の時代は幕を閉じたかに見えました。
2. 個人商店の逆襲が始まった理由
近年、この流れが逆転しつつあります。背景にあるのは スマートフォンとSNSの普及 です。
かつて個人商店の情報は「口コミ」や「地元の評判」に限られていました。一方、大手チェーンは広告やブランド力によって「安心感」を提供できました。
しかし今や、消費者はスマホで自ら情報を集め、Instagramや食べログ、Googleマップの口コミをもとに「自分の感性に合った店」を選ぶようになっています。
結果として、大型店舗よりも 専門性や個性を持つ個人商店 が支持を集めるケースが増えています。特に飲食店では、「この一品のために行きたい」と思わせるお店がSNSでバズり、行列を生むことも珍しくありません。
3. 個人商店が今やるべきマーケティング対策
では、個人商店がこの流れをチャンスに変えるためには何をすべきでしょうか?
(1) 情報発信を強化する
- InstagramやTikTokで日々のメニューや仕入れの様子を発信
- Googleマップや口コミサイトを常に最新情報で更新
- ハッシュタグやストーリーを活用して「今のお店」を見せる
(2) コミュニティをつくる
- LINE公式アカウントで常連客に限定情報を配信
- 店内イベントや小さなワークショップで顧客と交流
- SNS上で顧客と双方向の関係を築き「応援される店」になる
(3) ストーリーを伝える
- 商品やサービスの「背景」を物語として紹介
- 「なぜこの商品を扱っているのか」「誰がどんな想いで作っているのか」を発信
- 大型店舗では真似できない「人間味」を武器にする
(4) 顧客体験を工夫する
- 季節限定やコラボ企画で「来店する理由」を提供
- SNS投稿を促す仕掛けをつくる(フォトスポットやキャンペーン)
- 買い物体験を「楽しい思い出」に変える
(5) 小さくてもできるデータ活用
- POSデータや予約状況を分析し、人気商品や繁忙時間を把握
- 顧客リストをもとに誕生日クーポンや再来店特典を配布
- リピーターを増やすことで安定的な売上基盤を築く
まとめ
かつて規制緩和と大型店の進出によって衰退した個人商店。
しかし今、スマホとSNSの普及によって 「個性」と「専門性」を武器に復活の兆し を見せています。
個人商店が生き残るカギは、
👉 発信力(SNS・口コミ)
👉 顧客とのつながり(コミュニティ)
👉 ここにしかない価値(ストーリー・体験)
大型店舗では提供できない「人の温度」があるからこそ、個人商店は再び注目されているのです。
KTXアーキラボでは、VUCA時代における最適な店舗デザインをご提案しております。お気軽にお問い合わせください。
2025.10.24
【この記事を書いた人 松本 哲哉】
KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)
【お問い合わせ先】
- KTXアーキラボ一級建築士事務所
- 東京都港区南麻布3-4-5 エスセナーリオ南麻布002
- 兵庫県姫路市船丘町298-2 日新ビル2F
- 事業内容
- 飲食店・クリニック・物販店・美容院などの店舗デザイン・設計
- 建築・内装工事施工
- メール: kentixx@ktx.space
- 電話番号: 03-4400-4529(代表)
- ウェブサイト: https://ktx.space/
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