- 公開日:2025/01/22
- 最終更新日:2025/01/22
歯科クリニックデザイン~自費診療獲得に繋がる歯科医院設計とは?
KTXアーキラボ一級建築士事務所/東京都港区・兵庫県姫路市
歯科業界を取り巻く環境変化と倒産増加の背景
先日、Yahooニュースでも報じられたように、歯科医院の倒産や休廃業・解散が急増しています。帝国データバンクの調査によると、2023年1~10月の歯科医院倒産(負債額1千万円以上)と休廃業・解散を合わせた件数は前年同期の1.8倍の126件にのぼり、これまでの年間最多を更新しました。主な原因としては、高齢化による後継者不足や輸入材料費の高騰、医院設備の老朽化が挙げられています。
さらに、円安の影響により銀歯に使用されるパラジウム合金やゴム手袋など輸入資材の価格が上昇。マイナ保険証対応に伴う設備投資に対し、老朽化した医院では通信設備から整備し直さなければならず、経営を圧迫するケースも増加しているのが現状です。
その一方で「ホワイトニングなど付加価値の高い治療」で集患を行う若い歯科医も増えており、このようなトレンドは歯科医院設計・歯科クリニックデザインにも大きな影響を与えています。倒産リスクを回避しつつ、自費診療による収益向上を図るには、“クリニック自体の魅力アップ” が欠かせません。
自費診療獲得に繋がる歯科クリニックデザインのポイント
自費診療(自由診療)は、一般的な保険診療よりも高単価な治療を提供するため、クリニックの収益に大きく貢献します。特にホワイトニングやインプラントなどは患者さんの意識が高まりつつあり、その分、医院のブランディングやホスピタリティが重視されるようになりました。ここでは、自費診療を増やすために効果的な歯科医院設計・クリニックデザインのポイントをいくつかご紹介します。
1. ブランディングを意識したクリニックデザイン
- 第一印象を左右する空間デザイン
歯科医院は患者さんにとって「初めて受診する場所」というケースも多いため、外観や看板の印象が重要です。清潔感・先進性・優しさなど、クリニックのコンセプトが伝わる空間デザインを意識しましょう。 - ターゲット層とのマッチング
小児歯科であれば親子が親しみやすいカラーやロゴを、ホワイトニングや矯正など美容的ニーズが高い場合はスタイリッシュな演出を意識するなど、ターゲット層に合わせたデザインが有効です。
2. 患者体験を高める内装と動線計画
- プライバシーと安心感を高めるレイアウト
自費診療ではカウンセリングや治療内容の説明がより丁寧に行われるため、カウンセリングルームの配置や診療ユニット周りのプライバシー確保が重要です。患者さんが自分の悩みを打ち明けやすい空間づくりが、より高額な治療の説明や合意形成に大きく関わってきます。 - スムーズな院内動線
患者さんが受け付けを行い、診察室や会計まで移動する流れに無駄がないことはもちろん、スタッフ同士のオペレーション効率も考慮した動線設計が求められます。スタッフ負担を軽減することで、患者さん一人ひとりにより丁寧なケアを行えるようになり、満足度やリピート率アップに繋がります。
3. 最新設備・デジタル技術への対応
- マイナ保険証やデジタルレントゲン・口腔内スキャナーの導入
今後ますます普及が進むマイナンバー保険証対応をはじめ、最新の画像診断機器や滅菌システムなど、デジタル技術を取り入れた医院設計は患者さんへの信頼感を高めます。 - メンテナンス性やコスト管理も重要
高性能な機器は初期導入費用がかさむ一方、長期的には効率化や集患効果につながるケースも多く見られます。最適な投資バランスを見極めながら、設備を導入しやすい設計を行うことが大切です。
4. ホワイトニングや審美歯科ニーズを意識した空間づくり
- リラックスできる個室空間
ホワイトニングや審美治療は施術時間が比較的長く、プライバシーにも配慮が必要です。落ち着いた照明やBGMなど、患者さんがリラックスできる空間演出を行うことで治療への満足度が高まり、口コミによる集患が期待できます。 - SNS映えの意識もプラス
ホワイトニングなど美容目的で通う患者さんはInstagramなどSNSへの発信意欲が高い場合があります。写真映えするポイントや内装のカラーコーディネートを工夫することで、自然な広告効果を得ることも可能です。
KTXアーキラボ一級建築士事務所が考える歯科医院設計とは
私たちKTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)は、医療施設、とりわけ歯科クリニックの設計・デザインを数多く手がけてきました。機能性はもちろんのこと、患者さんが足を踏み入れた瞬間から「この歯科医院なら安心して任せられる」と感じてもらえる空間を目指しています。
- 徹底したヒアリング
開業予定のエリア特性、ターゲット層、提供予定の治療メニューなどを細かくヒアリングし、クリニックの強みを最大限に活かしたデザインプランを提案します。 - ブランディングと集客力の両立
競合医院が増える中で差別化を図るためには、コンセプトの明確化・ブランディングが不可欠です。私たちは医院ロゴやサイン、内装のカラーコンセプトなどを一体的にプロデュースし、集患に繋がる歯科医院デザインを実現します。 - 最新技術・設備との整合性
歯科医院における機器の進化は目覚ましく、限られたスペースの中でどのように配置するか、配線をどう設計するかなど専門的な知見が必要です。施主様と密に連携しながら、将来的な拡張性も考慮した設計を心がけています。
まとめ:自費診療拡大の鍵は「魅せる医院づくり」
歯科医院の倒産リスクが高まる一方で、ホワイトニングや審美歯科など付加価値の高い治療を取り入れ、自費診療獲得に成功しているクリニックも少なくありません。その成否を左右するのが、クリニックデザインと経営戦略の連動です。
- 患者さんの不安を取り除く、明るく清潔感のある院内
- 最新設備やホスピタリティを感じさせる先進的なデザイン
- プライバシーと快適さを両立させる動線計画
- ターゲット層に響くブランディング戦略
これらを総合的に考慮した医院づくりが、これからの歯科クリニック経営には欠かせないと言えるでしょう。私たちKTXアーキラボ一級建築士事務所は、東京都港区と兵庫県姫路市の両拠点から全国の歯科医師の皆様を支援し、“医院経営を成功に導く歯科クリニックデザイン”をご提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
2025.1.22
【この記事を書いた人 松本 哲哉】
KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)
お問い合わせ
建築設計事務所 KTXアーキラボ 一級建築士事務所
本社:兵庫県姫路市船丘町298-2-2F
東京オフィス:東京都港区南麻布3-4-5-002
- メール: kentixx@ktx.space
- 電話番号: 03-4400-4529(代表)
- ウェブサイト: https://ktx.space/
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