高騰する建設費の現在〜その原因と今後の見通し|KTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)

 
     
  • 公開日:2024/12/26
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  • 最終更新日:2024/12/26

高騰する建設費の現在〜その原因と今後の見通し|KTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)

近年、国内外を問わず建設費が高騰しているというニュースを耳にする機会が増えました。実際に住宅やビルなどの新築・リノベーションを計画中の方にとって、工事費の大幅な上昇は大きな懸念材料です。そこで今回は、KTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)が「建設費高騰の原因」と「今後の見通し」について、特にウクライナ情勢の前後による変遷を交えてわかりやすく解説いたします。建設費に関する最新情報を得たい方、これから計画を始める方はぜひ参考にしてください。


1. 建設費が高騰する主な原因

1-1. 建築資材価格の上昇

世界的な原材料価格の上昇や円安などの為替要因によって、鉄筋や木材、コンクリートなど主要な建築資材の価格が急騰しています。特に新型コロナウイルス感染症の影響でサプライチェーンが混乱したこともあり、資材の入手が困難となり価格が不安定化している状況です。

1-2. ウクライナ情勢の影響

1-2-1. 資源・資材調達の不安定化

ウクライナ情勢による国際的な制裁・物流混乱の影響を受け、エネルギー資源や金属素材の安定供給に支障が出ているケースがあります。ヨーロッパ諸国のみならず日本でも、鋼材やアルミニウムなどの調達コストが上昇する原因の一つとなっています。

1-2-2. エネルギーコストの高騰

ロシア産エネルギーへの依存度が高い地域では、輸入制限や国際的な価格変動によって電気・ガス料金が急上昇。鉄・セメントなどの加工に必要なエネルギーコストが増大することで、建設資材の価格高騰へとつながっています。

1-2-3. ウクライナ情勢以前と以後の変遷

  • ウクライナ情勢以前
    新型コロナウイルスの影響によるサプライチェーンの混乱と、アジア諸国を中心とした需要拡大がすでに建設資材の価格を押し上げていました。
  • ウクライナ情勢以後
    国際関係の緊張からエネルギーや金属素材の価格がさらなる高騰傾向となり、世界的に供給不安が長期化。建設費全般に影響が波及しています。

1-3. 人手不足・人件費の増加

建設業界では慢性的な人手不足が続いており、技能実習生の入国制限や働き手の高齢化などが拍車をかけています。その結果、技能労働者の人件費が上昇し、建設費にダイレクトに影響しているのです。

1-4. 世界的な需要増大

先進国だけでなく新興国でもインフラ整備や都市開発が進み、建築資材や人材の需要が高まり続けています。需要と供給のバランスが崩れた結果、グローバル市場においても建築コストが全般的に上振れしているのが現状です。

1-5. 建築現場の効率化の遅れ

日本の建設現場ではデジタル化や機械化が進んでいない部分が多く、依然として手作業に依存している工程があります。海外に比べて生産性が低いため、限られた人材で工期を確保しようとするとコストが上がりやすいという課題も指摘されています。


2. 建設費の高騰は今後どうなる? その見通し

2-1. 緩やかな上昇が続く可能性

原材料の需要増や人手不足がすぐに解消される見込みは薄いため、建設費は今後もしばらく上昇傾向を続けると予想されています。特に大規模プロジェクトが集中する都市部では、建設需要が高いためにコスト上昇に拍車がかかりやすい状況です。

2-2. ウクライナ情勢に左右される国際市況

ウクライナ情勢が長期化する場合、国際的な資材・エネルギー価格の高止まりが予想されます。制裁措置や物流の停滞が続くと、世界各地の建設プロジェクトに影響が及び、さらなる資材価格の上昇が懸念されます。

一方で、状況が改善し国際関係が安定する場合は、エネルギー価格や金属価格が落ち着き、建設費の上昇圧力がやや緩和される可能性もあります。
ただし、すでに高まった需要と人手不足の問題が大きく解消されない限り、すぐに大幅なコストダウンにつながるとは考えにくいのが現状です。

2-3. 技術革新によるコストダウンの可能性

BIM(Building Information Modeling)の導入や建設ロボットなどの活用により、建築現場の生産性向上が期待されています。これらの技術革新が進めば、ある程度コスト上昇を抑制する要素となるかもしれません。

2-4. 公共事業の影響

政府のインフラ投資や公共事業の拡大も、建設費に影響を与えます。景気対策として公共工事が増加すれば、さらに建設需要が高まり価格上昇へとつながります。逆に公共投資が減少すれば、需給バランスが落ち着くことで一定のコスト安定化が見込まれるケースもあります。


3. 建築コスト高騰への対策とポイント

3-1. 早期の計画立案

建設費が高騰している局面では、建築計画をできるだけ早期に進めることが大切です。設計や資材発注のタイミングを前倒しできれば、多少なりともコスト上昇リスクを抑えられる可能性があります。

3-2. コストマネジメントの徹底

設計段階からコストマネジメントを徹底することが重要です。予算に応じた素材選定や設備グレードの見直し、工期の短縮などにより、総工費を最適化することができます。
→ 詳しくはKTXアーキラボ一級建築士事務所までご相談ください。東京都港区と兵庫県姫路市の両拠点で、各種プロジェクトに合わせたご提案を行っております。

3-3. 新技術や工法の活用

プレキャスト工法やモジュール工法、BIM・CADシミュレーションなど、新技術の導入はコストダウンだけでなく品質向上にも寄与します。施工プロセスの無駄を減らし、工期を短縮することで、より安定的な価格でプロジェクトを完遂できる可能性が高まります。


4. KTXアーキラボ一級建築士事務所ができること

KTXアーキラボ一級建築士事務所は、東京都港区と兵庫県姫路市に拠点を構える建築設計事務所として、住宅・商業施設・公共施設など様々な建築プロジェクトに携わってきました。以下のようなサービスを通して、建設費が高騰する状況下でも最適解をご提案いたします。

  1. 設計・監理
    • 建築コンセプトから基本設計、実施設計まで一貫して対応
    • 現場監理を通して品質確保とコストコントロールを徹底

まとめ

建設費の高騰は世界的な建材価格の上昇人手不足需要拡大など多くの要因が複合的に絡み合って起きています。この傾向は続くと予想されるため、早めの情報収集と計画、そしてコストマネジメントが欠かせません。

**KTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)**は、多様なプロジェクト経験を活かし、建設費高騰のリスクをできるだけ抑えながらも高品質な建築を実現するためのサポートを行っております。建物の新築・リノベーションをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

▶️弊社の設計事例についてはコチラの作品集をご覧ください

2024.12.26


松本 哲哉

【この記事を書いた人 松本 哲哉】

KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師

2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)

▶ウィキペディア 松本哲哉(建築家)


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建築設計事務所 KTXアーキラボ 一級建築士事務所

本社:兵庫県姫路市

東京オフィス:港区南麻布

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