建設費高騰時代の新常識──設計段階からのコストマネジメントで最適解を導く

 
     
  • 公開日:2024/12/14
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  • 最終更新日:2024/12/14

建設費高騰時代の新常識──設計段階からのコストマネジメントで最適解を導く

近年、建築業界は建設費高騰施工業者不足といった深刻な課題に直面しています。

かつては複数の施工業者による競争入札で建築コストを抑える手法が有効でしたが、現在はその時代が終わりつつあります。

今求められるのは、設計の初期段階から建築設計事務所と施工会社が密接に連携し、常時コストを意識した設計を進めることでコスト上昇をコントロールする、新たなプロセスです。

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ショールーム建築設計事例 三昌レザーパビリオン

国立競技場コンペから学ぶ設計・施工一体の重要性

以前の国立競技場コンペでは、設計と施工の切り離しが原因で、計画見直しに至るほどのコストオーバーが問題視されました。この教訓は、建築計画において「設計完了後に施工者を選定する」従来型の流れでは、突発的なコスト増や品質低下が避けにくいことを示しています。今後は、設計者と施工者が一体となり、初期段階から素材選定や工法検討を行い、コストの「行き当たりばったり」な調整ではなく、計画的なマネジメントが必要とされます。

KTXアーキラボ一級建築士事務所(東京都港区・兵庫県姫路市)の強み

当事務所は、個性的でデザイン性の高い意匠設計を得意とするアトリエ系の建築設計事務所として活動しています。

私たちは単なるコストダウンを目的とするのではなく、空間の独創性や美しさといった意匠面を最大限に活かしつつ、機能性や経済性との絶妙なバランスを追求します。

当事務所はこれまで培ってきた経験や多面的な検討プロセス、施工者との密接な連携を通じて、設計段階からコストを可視化・最適化します。

この取り組みにより、意匠性を損なうことなく、適正なコストで魅力的な建築を実現することが可能になります。

設計・施工一体型アプローチがもたらす3つのメリット

  1. コストの計画的コントロール:意匠設計と工法検討を同時並行で行い、設計が進むごとにコスト調整を実施するため、後戻りや大幅なコスト増を防ぎやすくなります。
  2. スケジュールと品質の確保:設計段階から施工者の視点を取り入れることで、施工性や現場状況を踏まえた計画が可能となり、スケジュールの安定化と品質の向上につながります。
  3. 独自性の維持と満足度向上:個性的なデザインはそのままに、施工者と二人三脚で進めることで、クライアントの要望を的確に反映し、満足度の高い建築空間を創出します。

まとめ

激変する建設市場において、「設計が終わってから施工者を選ぶ」旧来の手法は、コスト面・品質面で多くのリスクを抱えています。

これからは、設計事務所と施工会社が初期段階からタッグを組み、デザイン性とコストコントロールを両立する新たなアプローチが求められます。

KTXアーキラボ一級建築士事務所は、意匠性にこだわりながらも、施工者との密接な連携によってコストと品質を管理し、理想的な建築プロジェクトを実現するパートナーとして、これからの時代に即した設計手法をご提供いたします。

2024.12.14


  • 松本 哲哉

    【この記事を書いた人 松本 哲哉】

  • KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
  • 2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)
  • ▶ウィキペディア 松本哲哉(建築家)

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