- 公開日:2024/12/07
- 最終更新日:2024/12/11
医師偏在是正へ――新規開業許可制の検討がクリニック開業に与える影響とは?
(引用元:日経新聞より)
厚生労働省は9月30日に開いた有識者検討会において、医師が都市部に集中し、地方で不足する問題の解消策として、外来医師が多い地域での新規開業を「許可制」にする案を示しました。更に、開業数に上限を設ける案や、許可制導入に伴う新規開業希望者への医療機能提供要請を盛り込む法制化案も議論されています。
医療法上、基本的には医師免許を持つ医師が地方自治体に届け出ることで診療所を自由に開設できますが、現行制度では都市部への開業集中を防ぎきれていないのが実情です。今回提案された許可制案は、憲法が定める職業選択の自由・営業の自由との兼ね合いや既存の診療所との公平性、医療の質の確保など、慎重な検討が求められる問題です。日本医師会からは「行き過ぎた規制は全く相いれない」という反対意見も表明され、議論は一筋縄ではいかない状況となっています。
2040年を見据えた地域医療の在り方を議論する中、こうした施策は24年末までにまとめられる予定とのことで、クリニックの開業を検討する医師や医療法人にとって、今後の動向は大きな影響を及ぼす可能性があります。
クリニック開業デザインにおける考慮点と対応策
当事務所「KTXアーキラボ一級建築士事務所」では、東京都港区・兵庫県姫路市の両オフィスにて、全国的なクリニック開業支援・設計デザインを承っています。医師偏在是正や許可制といった規制強化が現実味を帯びる中、クリニック開業を成功させるためには、従来以上に戦略的な地域選定と機能設計が求められます。
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地域ニーズ分析・医療機能の確保
- 新規開業に許可制や医療機能要請が加わる可能性がある以上、開業候補地の医療需要や診療科目構成の綿密な調査が欠かせません。特に「外来医師多数区域」では、地域で不足している医療機能や救急対応などが求められる可能性があります。当事務所では、地域医療ニーズの調査や医療機能の強化、拡張性を踏まえた建築計画のご提案を行います。
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柔軟な空間設計による将来対応力
- 将来的に開業規制や医療機能要請が強化された場合に備え、クリニックの空間設計には柔軟性が重要です。医療機器導入や診療科変更、スタッフ増員などに対応しやすい可変性の高いレイアウトや、増築・改修を見据えた構造計画を行うことで、変動する規制・ニーズにもスムーズに対応可能となります。
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ブランディングと地域連携による差別化
- 許可制導入によって開業ハードルが上がる可能性がある一方、患者視点から見れば選択肢の質的向上が期待されます。その中で選ばれるクリニックとなるためには、単に診療機能の充実だけでなく、患者に寄り添った空間づくり、わかりやすい動線設計、快適な待合スペースやプライバシー配慮など、患者満足度を高めるデザインが必須です。また、地域住民や他の医療機関との連携、オンライン診療の導入など、時代を見据えたサービス展開も重要です。
まとめ
厚労省が提示した新規開業許可制や医療機能要請の法制化案は、クリニック開業を取り巻く環境を大きく左右する可能性があります。職業選択の自由や営業の自由とのバランス、地域医療の質的向上など、議論は続くと考えられますが、確実なのは今後、クリニック開設に際してより高度な戦略とデザイン計画が要求されるということです。
当事務所「KTXアーキラボ一級建築士事務所」では、東京都港区と兵庫県姫路市に拠点を構え、全国のクリニック開業支援の実績を積んできました。新たな規制や市場変化に対応したクリニック設計・医療空間デザインについてお気軽にご相談ください。地域医療ニーズに合わせた持続可能なクリニック開業の実現を、私たちが全面的にサポートいたします。
2024.12.07
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【この記事を書いた人 松本 哲哉】
- KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
- 2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)
- ▶ウィキペディア 松本哲哉(建築家)
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お問い合わせ
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建築設計事務所 KTXアーキラボ 一級建築士事務所本社:兵庫県姫路市東京オフィス:港区南麻布
- メール: kentixx@ktx.space
- 電話番号: 03-4400-4529(代表)
- ウェブサイト: https://ktx.space/
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