デザインアワードのすすめ ~世界のデザイン賞 Ver.2

 
     
  • 公開日:2024/10/31
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  • 最終更新日:2024/11/19

デザインアワードのすすめ ~世界のデザイン賞の特徴と難易度2

東京と姫路市にオフィスを置く建築設計事務所KTXアーキラボです。

つながりのある空間デザイナーさんから、海外のデザインアワードのことを教えてほしいと連絡をいただくことが最近多くなりましたので、僭越ながら参考になればと思い、様々なデザインアワードのことや、何のためにアワードに応募するのか、ということをブログに書かせて頂きました。

今回は続編です。(前回の記事はコチラ) 

 

弊社は2009年から、国内のデザインアワードに、2013年から海外のデザインアワードに応募を始め、これまで16ヵ国170タイトル(2024年10月現在)のデザインアワードを受賞してきました。

現在は弊社ヘッドアーキテクト松本がイタリア・中国・韓国・アゼルバイジャン・オランダなど、各国のデザインアワードの審査員を歴任しております。

 

応募する意義のあるアワードとそうでないアワード

長年様々な国際デザインアワードに応募し続ける中で、受賞する意義のあるアワードとメリットの無いアワードがあると感じています。

なかには応募料を払えばあまりレベルの高くない作品でも簡単に受賞できてしまうものもあります。

当然あまり意味がないと思うアワードには応募しなくなりました。

今回は現在でも弊社が応募し続けている、応募する意義があると思うデザイン賞に絞って改めて紹介します。

 

■現在でも弊社が応募し続けている国際デザイン賞

 ■WAF(ワールドアーキテクチャーフェスティバル) & INSIDE(インサイド)

https://www.worldarchitecturefestival.com/

建築誌「AR アーキテクチャーレビュー」や「AJ アーキテクトジャーナル」を出版する emap が主催する建築(WAF)と空間デザイン(INSIDE)のデザインアワード。2年ごとに決勝の舞台は世界を転々とし、今年と昨年はアムステルダム、一昨年と4年前はベルリン、その前はシンガポールで行われた。オンライン審査を経て、各カテゴリー数組の決勝進出者が選ばれる。決勝戦は審査員の前でライブプレゼンテーションを行い、その年の世界一のデザインを決めるというもの。おそらく世界で一番エキサイティングな建築・空間デザインアワードではないかと思う。決勝に参加するファイナリストにはザハハディドやBIG、ネリ&フー、OMA、MVRDV、へザウィック、日本からは日建設計などなど、超有名な建築設計事務所が名を連ねる。決勝に進出すれば、そんな建築界のスター達のプレゼンを目の前で見れるだけでなく、自らも同じステージでプレゼンし、彼らと肩を並べて戦うことができる。ピータークックやフォスターなど世界的スターキテクトが普通に会場を歩いていて声をかければ気さくに話してくれ、自分の作品への意見を聞けるという、建築・空間デザイナーには夢のような場所。渡航費、滞在費、入場料など、かなり費用はかかるが、それに見合う経験を得られる。プレゼンの動画を記録しておけばSNS用の広告としても使い勝手が良い。

弊社は2014、2015、2017、2018、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年の9回に渡り決勝に進出し、2019年カテゴリー優勝を果たした。また、2020年リスボン大会では松本が日本人唯一の審査員を務めます。

↓決勝戦プレゼンテーションの様子がWAF公式チャンネルにて公開されています↓ プレゼンター:KTXアーキラボ 松本哲哉・Farid Ziani

 ■iFデザインアワード(ドイツ)

https://ifworlddesignguide.com/

世界三大アワードの一つと言われる。受賞難易度は高い。受賞した場合の受賞料(受賞者に選ばれると盾などの受賞キットを受け取るために支払う費用。決して賞をお金で買えるわけではない)が1600ユーロとかなり高かったので、弊社は一度受賞した後、応募していない。。。有名なアワードなのでネームバリューは高い。(一般的にほとんどのデザインアワードにおいて受賞料というものは不要だが、ドイツのデザインアワードは受賞料が必要なものが多い)

弊社は2018年に受賞。

(ウィキペディアより抜粋)
iFデザイン賞は、“デザイン界におけるオスカー賞”を自称し、世界的に最も権威のあるデザイン賞の一つ。ドイツ・ハノーファーを拠点とする、デザイン振興のための国際的な組織インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファーが1953年から主催し、毎年全世界の工業製品等を対象に優れたデザインを選定する。

  ■Red Dot Award(ドイツ)

https://www.red-dot.org/

ドイツ、エッセンのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンター)が主催する国際的なプロダクトデザイン賞。プロダクトデザイン、デザインエージェンシー、デザインコンセプトのジャンルにおいて賞が存在する。1955年に創設されたこの賞はデザイナーと製造業者に応募資格があり、受賞者は年に1回開催されるセレモニー (Ceremony) で賞を授与される。受賞プロダクトはエッセンの歴史的なツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の構内にある「レッド・ドット・デザイン・ミュージアム」に展示される。

こちらも世界3大デザインアワードのひとつでハイレベル。受賞難易度は高い。iFデザインアワード同様、受賞料が高額。ジャーマンデザインアワードやICONICデザインアワードなど、ドイツのメジャーなデザインアワードは全体的に受賞料が高い傾向にあるので、弊社は最近応募していない。しかし iF同様ネームバリューは非常に高い。

弊社は2017・2023年に受賞。

 ■APIDA(香港)

https://apida.hk/

HKIDA(Hong Kong Interior Design Association)が運営する、こちらも香港のデザインアワード。空間デザインに対象は絞られる。アジアの空間デザインアワードの中ではレベルが高い。月刊商店建築など日本のメジャーなメディアも受賞者をとりあげるので、アジアのデザインアワードの中でも受賞のメリットは比較的大きい。日本からの受賞者も多い。

弊社は2014年Excellence、2017年Winner、2018年Winner、2019年銀賞、2023年審査員特別賞を受賞。

 ■FRAME AWARDS(オランダ)

https://www.frameweb.com/frame-awards

世界で最も権威のある空間デザイン誌のひとつ、オランダのFRAMEが主催する空間デザインアワード。オンライン審査を勝ち抜き、決勝に残った各カテゴリー数組のファイナリストがアムステルダムで行われる決勝戦にてプレゼンテーションを行う。

弊社は2014、2019、2020年の三度に渡りファイナリストとして決勝に臨んだが優勝経験は無い。

↓決勝プレゼンテーションの様子 ↓ プレゼンター:KTXアーキラボ Farid Ziani

 

 

【番外編】現在弊社代表松本が審査員を務めている国際デザイン賞

 ■ASIA DESIGN PRIZE(韓国)

https://asiadesignprize.com/

韓国のデザインポータルサイトDESIGNSORIが運営するデザインアワード。様々なカテゴリーのデザインを広く公募し、学生の作品も応募可能。2018年に弊社松本が審査員長を務め、以降も審査員を務めている。昨年はカリム・ラシドが審査員長、今年は大阪芸術大学デザイン学科長高橋善丸教授が審査員長を務めた。難易度的にもやや敷居が低く、授賞式もソウルで行われるため参加しやすい。初めての海外デザインアワード挑戦には最適。日本からの受賞者も多い。

 ■イタリアA’ DESIGN AWARD

https://competition.adesignaward.com/

弊社松本が審査員を務める、世界最大規模の国際デザインアワード。世界最大級ということで、応募数も多いが受賞者も多い。上位タイトルはプラチナ賞からブロンズ賞まで、上位タイトルを獲得するには一定のクオリティを要するが、一般多数のWinnerを獲得するのは比較的容易。企業名で応募すると登録料がかなり高くなるので、デザイナー個人名での応募がおすすめ。授賞式は素晴らしいロケーションを有するイタリアのリゾート地、コモ湖のほとりにある歴史的な宮廷で行われ、出席者のドレスコードはタキシード・カクテルドレス、という格式高い雰囲気。インパクトのある授賞式の写真が撮れるので広告効果も高い。徒歩圏内にファシズム合理主義建築カサデルファッショがあるので建築関係者は必見。

他のアワードと比べて受賞作品のメディアへの露出度がかなり高く、受賞者が受け取るキットも充実しており、受賞後のメリットが非常に大きいと感じる。

A’デザインアワード授賞式の様子はコチラに紹介しています↓

 

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代表松本 Newsweek 誌インタビュー

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2024.11.05
建築設計事務所 KTXアーキラボ 一級建築士事務所
本社:兵庫県姫路市
東京オフィス:港区南麻布

松本 哲哉

【この記事を書いた人 松本 哲哉】

KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)

 

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