- 公開日:2024/10/30
- 最終更新日:2024/11/19
潜在意識に訴えるクリニック内装デザイン:INCEPTIONに学ぶ空間づくり
こんにちは、クリニックの内装デザインを多数手がける 建築デザイン事務所 KTXアーキラボ です。
皆さんは映画「INCEPTION(インセプション)」をご存知でしょうか?
レオナルド・ディカプリオや渡辺謙が出演するこの映画は、相手の潜在意識(夢)に潜入し、特定のアイデアを植え付けるというストーリーです。
▶弊社のクリニックデザイン事例についてはコチラの写真集ページをご覧ください。https://ktx.space/category/projects/medical/
この映画が示すように、私たちの潜在意識に働きかける情報は、表面的な情報よりも強い影響力を持ちます。
今回は、この「潜在意識に訴えるデザイン」がクリニック内装デザインにどのように活かせるかを考えてみたいと思います。
潜在意識に訴えるデザインとは
ただ情報を伝えるだけなら、言葉や文章で十分かもしれません。
しかし、なぜ潜在意識にまで働きかける必要があるのでしょうか?
それは、外部から与えられた情報と、自らの内面から生まれた情報では、その信頼性に大きな差が生まれるからです。(詳しくはコチラの解説動画をご覧ください)
内面からの信頼性の違い
- 外部情報:広告情報として、相手からの一方的なメッセージとして処理されます。
- 内部情報:自分自身で感じ、考え、導き出した答えであり、信頼性が高まります。→確証バイアスの形成
患者様が「このクリニックは信頼できる」と感じるのは、外部からの情報よりも、自らの体験や感覚によるものが大きいのです。
クリニック内装デザインへの応用
クリニックや医療施設では、「最先端の医療技術があります」「経験豊富な医師が在籍しています」と直接伝えると患者様は広告情報として処理します。
そこで、内装デザインを通じて患者様の潜在意識に訴えかけることで、信頼感や安心感を醸成し、医師・医療技術への期待値を押し上げ、確証バイアスを形成することが可能です。
デザインがもたらす効果
- 信頼性の向上:清潔感や先進性を感じさせるデザインで、医療技術への期待値を上げる。
- ブランドイメージの確立:独自性のあるデザインで、他院との差別化、医師のブランディング。
実際の事例紹介
1. まつばらクリニック 泌尿器科
- 用 途:泌尿器科クリニック
- 鍵 :近未来的なデジタル空間
- メッセージ:最先端の医療技術を持つクリニック
世界的にも希少なダヴィンチを使用したロボット手術を提供するクリニックです。医療法上、直接的な宣伝が難しい中、近未来的な内装デザインによって「最先端の医療技術がある」という印象を患者様に与えています。この医院を訪れた患者様が医師に対してどのような言葉を発するか、実際のコミュニケーションを誘発するための空間デザインです。
2. せきむかい眼科クリニック
- 用 途:眼科クリニック
- 鍵 :外から手術室が見える大胆なレイアウト
- メッセージ:手術を得意とする高度な医療技術
手術室をガラス張りにして外部から見えるように配置。これにより、「手術のできる眼科がここにある」というメッセージを潜在的に伝え、医療技術への信頼感を高めています。開業からわずか5ヶ月で手術予約が殺到し、診療時間を変更するほどの人気クリニックとなりました。
3. 西宮SHUHEI美容皮膚科クリニック
- 用 途:美容皮膚科クリニック
- 鍵 :ファッションショーのランウェイを再現
- メッセージ:施術後の美への期待値を押し上げる
調剤薬局を訪れる患者様は、「癒し」を求めています。しかし、私たちは医療に求められる癒しは単に「自然」や「リラックス」だけではないと考えます。そこで、先端医療研究施設を思わせる内装デザインにより、調剤される薬品や医療サービスへの高い信頼性を感じていただける空間を実現しました。
4. 横浜ゆうみらい小児歯科・矯正歯科ポートサイドクリニック
- 用 途:小児歯科クリニック
- 鍵 :人工島の洞窟を探検する冒険型歯科クリニック
- メッセージ:子どもたちにとって行きたくない場所を行きたい場所へ
- 受付・待合空間は人工丘の外側に配置しており、丘の側面に口を開けた洞窟を探検するように進んでいくと、診察ブースや検査室諸室などへ繋がっています。
潜在意識の扉を開くデザインの重要性
強い印象を与える空間デザインは、患者様の潜在意識に直接働きかけます。
それは、一瞬にして潜在意識の扉を開ける「鍵」となり、伝えたいメッセージを深く届けることができます。
デザイン事務所としての使命
- メッセージの明確化:クライアントが伝えるべき核心を見極めます。
- 鍵のデザイン:潜在意識に訴える最適なデザインを創出します。
- ビジネスの成功に貢献:空間デザインを通じてクリニックの集患に寄与します。
まとめ
クリニック内装デザインは、単なる空間の美しさや機能性だけでなく、患者様の潜在意識に働きかける強力なツールです。
私たちデザイン事務所は、クライアントと共に最適なデザインを創り上げ、ビジネスの成功に貢献します。
クリニック内装デザインに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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2024.11.4
- メール: kentixx@ktx.space
- 電話番号: 079-296-3696(姫路本社) / 03-4400-4529(東京オフィス)
- ウェブサイト: https://ktx.space/
【この記事を書いた人 松本 哲哉】
KTXアーキラボ 代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界8位(日本国内1位)
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