公開日：2024/10/25
最終更新日：2024/10/31

建築・空間デザインはパッケージデザイン

こんにちは、東京と姫路にオフィスを置く建築設計事務所 KTXアーキラボ一級建築士事務所です。

皆さんは、店舗やクリニックのデザインが商品やサービスの価値にどれほど影響を与えるか考えたことはありますか？実は、建築や空間デザインは商品のパッケージデザインと同じように、その価値を高め、魅力を引き出す重要な役割を果たしています。

パッケージデザインがもたらす効果

まずは、一般的な商品のパッケージが変わることで起こる変化を見てみましょう。

化粧品のボトルデザイン: 高級感のあるガラスボトルに変更することで、同じ中身でも「高品質」「プレミアム」といった印象を与え、価格設定を上げることが可能になりました。

飲料缶のデザイン: 某有名飲料メーカーのオレンジジュースは、ライバルの出現により大きく売り上げを落としていましたが、名前と缶のデザインを変えただけでライバルの売り上げを遥かに超える人気のジュースとなりました。全く同じ中身でもパッケージのイメージだけで消費者にとっての商品価値が大きく変わることを証明しました。

トイレットペーパーのパッケージ: トイレットペーパー購入後、女性が家まで持ち帰る際に恥ずかしくないよう、トイレットペーパーだと分かりにくいオシャレなパッケージに変えただけで、売り上げが倍増しました。

これらの例からわかるように、パッケージデザインは商品の第一印象を決定づけ、その価値やブランドイメージを大きく左右します。

建築・空間デザインも同じ役割を果たす

店舗やクリニックのデザインも、まさにこの「パッケージデザイン」と同じです。

店舗デザイン: 洗練された内装や照明を採用することで、高品質な商品やサービスを提供しているという印象を与えます。例えば、高級ブランドのブティックは、シンプルでありながら高級感のあるデザインで統一されています。商品・サービスの内容・価格・ターゲット層などを分析し、空間デザインに反映することが大切です。

クリニックの空間デザイン: 清潔感のあるシンプルなデザインや近未来的なイメージを取り入れることで、医師のカリスマ性や最新の医療技術への期待値を押し上げることができます。医療もビジネスとしての側面を鑑みれば、医院建築や内装デザインは、集患につながる重要な要素です。※弊社のクリニックデザインの手法はブログ「クリニックデザイン・豪華なだけでいいの？」をご覧ください。

飲食店の雰囲気: 飲食店の内装デザインの重要性を証明する実験が行われたことがあります。高級レストランで、某コンビニの唐揚げや、100円で売られているアイスクリームを提供したところ、客は非常に満足して、素晴らしい料理だったと評価しました。100円の価値の料理も高級な内装で見栄えの良い皿の上に乗れば「美味しいに違いない」という確証バイアスが働き、実際においしく感じ、実質の何倍もの価値を感じることになります。反対に、10000円の料理であっても、安っぽい食堂で紙皿の上に乗せて提供したのでは、10000円の価値を感じていただくことはできません。