【建築設計事務所が解説】構造別建設費の推移:現在・10年前・20年前

 
     
  • 公開日:2024/10/21
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  • 最終更新日:2024/10/22

【建築設計事務所が解説】構造別建設費の推移:現在・10年前・20年前

こんにちは、KTXアーキラボです。建物を建てる際に気になるのが「建設費」ですよね。今回は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3つの構造別に、建設費が現在、10年前、20年前でどのように推移してきたのかを詳しく解説します。建築をお考えの方はぜひ参考にしてください。

※以下建設費坪単価には装飾的な内装・家具・特殊設備等は含みません

木造建築の建設費の推移

20年前の木造建築費

20年前、木造建築は最もコストパフォーマンスが高い選択肢でした。材料である木材も豊富で、建築設計事務所としても予算内で質の高い住宅を提案しやすい時代でした。この時期の木造建築の平均的な建設費は、坪単価40万円〜50万円程度でした。

10年前の木造建築費

10年前になると、森林資源の減少や環境保護の観点から木材価格が上昇し始めました。また、職人の高齢化や若手の減少により、人件費も増加傾向にありました。この時期の木造建築の建設費は、坪単価50万円〜60万円程度に上昇しました。

現在の木造建築費

現在では、高品質な木材の需要増加とともに価格も上昇しています。さらに、耐震性や省エネ性能を高めるための技術や材料の導入により、建設費は過去と比べて高めになっています。現在の木造建築の建設費は、坪単価60万円〜80万円程度が一般的です。

鉄骨造建築の建設費の推移

20年前の鉄骨造建築費

20年前、鉄骨造は主に商業施設や高層ビルで採用されており、材料費と施工費が高額でした。一般住宅での採用は少なく、建築設計事務所でも特定の用途でのみ提案していました。この時期の鉄骨造建築の建設費は、坪単価70万円〜90万円程度でした。

10年前の鉄骨造建築費

10年前、中国など新興国からの安価な鉄鋼材の輸入により、材料費が一時的に低下しました。その結果、建設費も抑えられ、一般住宅でも鉄骨造を検討するケースが増えました。この時期の鉄骨造建築の建設費は、坪単価65万円〜85万円程度になりました。

現在の鉄骨造建築費

現在、世界的な鉄鋼需要の増加や資源価格の高騰により、材料費が再び上昇しています。加えて、環境対応型の素材開発コストも建設費に影響を与えています。現在の鉄骨造建築の建設費は、坪単価80万円〜100万円程度となっています。

鉄筋コンクリート造建築の建設費の推移

20年前の鉄筋コンクリート造建築費

20年前、鉄筋コンクリート造はその耐久性と耐火性から、多くの公共施設や集合住宅で採用されていました。しかし、建設費は高額で、一般住宅での採用は限定的でした。この時期の鉄筋コンクリート造建築の建設費は、坪単価90万円〜110万円程度でした。

10年前の鉄筋コンクリート造建築費

10年前、コンクリートの製造技術が進歩し、材料費が安定しました。また、プレキャスト工法の普及により、施工期間の短縮とコスト削減が可能になりました。この時期の建設費は、坪単価85万円〜105万円程度にやや低下しました。

現在の鉄筋コンクリート造建築費

現在、セメント価格の上昇や職人不足による人件費の増加により、建設費は再び上昇傾向にあります。さらに、環境負荷を低減するための新材料や技術の導入もコストに影響しています。現在の鉄筋コンクリート造建築の建設費は、坪単価100万円〜130万円程度となっています。

建設費推移の主な要因

  • 材料費の変動:資源価格や輸入状況による影響
  • 人件費の変化:職人の高齢化と若手不足
  • 技術革新:新工法や新材料の開発
  • 経済状況:国内外の経済動向、為替レート

建築設計事務所からのアドバイス

建設費は過去20年で大きく変動してきました。KTXアーキラボでは、最新の市場動向や技術情報を基に、最適な構造とコストバランスを考えた設計を提案しています。建築を計画される際は、ぜひ専門家にご相談ください。

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※上記の坪単価は一般的な目安であり、地域や建物の仕様、設備によって変動します。正確な建設費を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

2024.10.22
建築設計 KTXアーキラボ 一級建築士事務所
本社:兵庫県姫路市
東京オフィス:港区南麻布
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