- 公開日:2024/06/03
- 最終更新日:2024/10/31
クリニック内装デザイン、豪華なだけで良いの?
医師のカリスマ性と医療技術への期待値を大きく押し上げる
現在弊社の手掛けるプロジェクトの半数以上がクリニック・病院など医療施設の建築設計・内装デザインなどです。
弊社は商業施設やオフィスなど様々な商空間を手掛けてきた経験を生かし、
病院設計・クリニックデザインの分野においても、
「医療施設設計の高い専門性」と「高度な空間デザイン」を両立させています。
これまで16ヵ国165タイトルに及ぶ受賞歴に裏付けられた世界レベルの空間デザインが、
唯一無二のアイデンティティを持つ医療空間を創出し、
医師のカリスマ性と医療技術への期待値を大きく押し上げる、
空間デザインによるブランディングを実現します。
クリニック内装デザイン、豪華なだけで良いの?
近年、クリニックの内装デザインに力をいれておられる施設が増加しています。
しかし、ただ豪華なだけの内装デザインも多く、
それでは医療施設として内装に投資をする意味が薄れてしまいます。
「豪華さ」は「医療の本質」を修飾するものにはならない
「豪華な」という言葉は「豪華な内装」のように「内装」や「空間」を修飾することはできますが、
「クリニック」や「病院」の本質を修飾するものにはなり得ません。
「豪華なクリニック」は、ただクリニックの見た目が豪華という印象を与えるだけで、
医療施設としての信頼度や、医師の医療技術への期待値を押し上げるものにはならないからです。
空間デザインによるブランディングとは?
INCEPTION という映画をご存知でしょうか。
レオナルド・ディカプリオや渡辺謙が出演する映画で、
ある要人を操るために相手の潜在意識(夢)に潜入し、
ある考えを植え付けるというストーリーです。
ただ考えを伝えるだけなら、話して伝えたり文章で伝えることもできるはずですが、
なぜ潜在意識に潜り込んでアイデアを植え付ける必要があるのでしょうか?
それは外部から伝えられた情報と、内部から出てきた情報(つまり自分自身で考え導き出した答え)では、
情報の信憑性に大きな差があるからです。
これは商環境設計においても応用すべきものであると私達は考えています。
外部から受け取った情報を私達は「広告情報」として処理し、
ついつい懐疑的な受け取り方をしてしまいます。
広告情報は相手からの売り込みであり、
美化された情報であることを私達は知っています。
一方、内部からの情報は自分自身が考え導き出した答えですから、
その信頼性は前者に比べ非常に高くなります。
例えば飲食店であれば、「うちの料理は美味しいですよ」
と謳う広告を見ても気に留める人は少ないでしょう。
しかしお店の雰囲気や様々な状況を自ら感じ取った結果、
「このお店はおいしいに違いない」と自ら考えた場合、
その期待値は大きく押し上げられます。
この時点で消費者の心に確証バイアスが働くことになり
お店への信頼度を消費者自ら醸成する環境が作り上げられます。
病院やクリニックなど医療施設においては
「うちの医療技術は最先端ですよ」
「うちの先生は有能ですよ」
と言葉で伝えるのではなく、
「ここのクリニックには最先端の医療技術があるに違いない」
「ここの先生は信頼できるに違いない」
と患者さんに自ら感じさせることができれば、
そこでの医療に対する期待値が大きく押し上げられます。
そのような形で視覚情報から思い通りの印象を、
見る人の潜在意識に届けることで、
クライアントのビジネスを成功に導くことが、
空間デザインの重要な役割です。
それを成し得る空間は相当に印象の強いものである必要があります。
そのインパクトが潜在意識の扉を一瞬にして開け放つ「鍵」となるからです。
そしてその鍵には、扉を開けると同時に伝えるメッセージを潜り込ませなければなりません。
そのクリニックにとって、そのメッセージはどのようなメッセージであるべきなのか、
それを伝えるための鍵はどのような形であるべきなのか、
それをクライアントと共に考え、創り上げるのが我々の重要なミッションです。
クリニック内装デザイン事例:手術室がまる見えの眼科クリニック
西宮市の夙川駅に隣接する商業施設内、
眼科クリニック設計事例をご紹介します。
勤務医からの独立開業案件。
設計に先立ち、新規患者獲得のため
他の競合眼科医院とどのように差別化すべきか打合せを重ねました。
クライアントが最も自信を持っておられたのは
これまで大学病院などで多数手がけられてきた、
眼科手術の技術でした。
手術が得意であるということをアピールすることができれば、
医療技術そのものへの期待値を高めることができます。
空間のイメージで患者の潜在意識に情報を伝える
ではどうすれば「手術が得意」という事実を患者に伝えることができるのでしょうか。
看板に「手術が得意」と書く?
受付カウンターにも「手術が得意」と書く?
先生の名札にも「手術が得意」と書くこともできますが・・・
これでは患者さんは前述の信憑性の低い「広告情報」として処理してしまいます。
「私は手術が得意です」という言葉で伝えるのではなく、
視覚情報によって伝達する手法を模索しました。
外部に面してガラス張りの手術室を配置し、
来院された患者さんや、外部(施設の通路)を歩くお客さんに
「手術のできる眼科がここにある」ということを印象付け、
医療技術の高さへの期待値を上げ、
更に明るく清潔感のある手術室を可視化することで、
手術に対する恐怖・不安を拭いました。
開業わずか5ヶ月にして手術の予約が殺到し、
手術日を増やすため診療時間割を変更することになる程、
評判の眼科クリニックとなりました。
↑開院当初、手術日は週1回でした。
↑現在は手術日が週3回に増えました。
詳しくは下記リンクより設計事例ページをご覧ください
クリニック内装デザイン事例①せきむかい眼科クリニック
https://ktx.space/2022/11/15/the-operating-theater-can-be-clearly-seen-from-outside-2/
クリニック内装デザイン事例②まつばら泌尿器科クリニック
世界的に認定医の少ないダヴィンチを使用するロボット手術を得意とする先生の開業案件でした 。高度な医療技術を訴求し、他院との差別化を図りたいところですが、 医療法上そのような医院同士の競争を生む広告物は認められません。「最先端のハイテク医療」その技術がこのクリニックにある、ということを言葉ではなくイメージで伝える必要がありました。
https://ktx.space/2020/07/10/the-panelarium/
クリニック内装デザイン事例③横浜ゆうみらい小児歯科クリニック
子供たちにとって、「行きたくない場所」である歯医者さん、どうすれば「行きたい場所」「行くのが楽しみになる場所になるのか?
クリニック内装デザイン事例④渋谷アイケアクリニック
渋谷駅の近く、にぎやかな交差点に面したガラス張りの眼科クリニック。ガラス張りのデメリットをアドバンテージに変換し、唯一無二のクリニックのアイデンティティを確立する。
https://ktx.space/2023/05/02/luxlinea/
クリニック内装デザイン事例⑤みやび歯科クリニック
歯科医院の新築開業案件。コストを抑えるため、日本古来からの住宅を建てる技法である木造在来工法を採用。在来工法でありながら、開放的でモダンな印象を持つ歯科医院を目指した。
https://ktx.space/2022/01/20/miyabi-dental-clinic/
クリニック内装デザイン事例⑥とし内科クリニック
内科クリニックの新築開業案件。1820㎜グリッドに規格を統一し、建設コストを削減しながらも印象深いファサードデザインを実現。
クリニック内装デザイン事例⑦西宮SHUHEI美容皮膚科クリニック
自らの「美」への期待値を押し上げる光のランウェイを歩く美容皮膚科クリニックの内装デザイン
https://ktx.space/2020/07/09/midlight-runway/
クリニック内装デザイン事例⑧芦屋駅前小野内科クリニック
狭小テナントでの内科クリニック開業計画。限られた空間に必要諸室を確保した結果、待合空間が非常に狭い印象になった。狭小空間において狭さを感じさせないダイナミックな印象をいかに創出するかが課題となった。
https://ktx.space/2017/01/25/the-frame-of-light/
クリニック内装デザイン事例⑨きょう整形外科クリニック
築数十年が経過したクリニック建築の改装案件。
クリニック内装デザイン事例⑩ししだ眼科クリニック
眼科クリニックの新築移転計画
https://ktx.space/2015/04/04/a-new-building-for-shishida-ophthalmological-clinic/
クリニック内装デザイン事例⑪たつみ歯科クリニック
築数十年の歯科医院改装計画。
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